大企業勤務を経て、地元熊本で整骨院を開業。

中学まで地元の熊本県八代市で過ごし、高校からは熊本市内で寮生活を送りました。大学は関西の立命館大学に進学し、卒業後は三井住友銀行に約7年間勤めまして、医療・健康業界への転職を経て、現在は熊本県合志市で整骨院を営んでいます。

大学時代から長い時間を関西で過ごしましたが、整骨院の開業にあたって熊本に戻った理由は2つあります。

1つ目は、自分だから提供できるオンリーワンのサービスを目指したかったからです。東京や大阪の整骨院を見ていると、どうしても似たり寄ったりで同じようなサービスばかりに感じていました。その環境にいると、「別に自分じゃなくてもいいんじゃないか」と思ってしまったんです。

2つ目は、熊本の方々に恩返ししたかったからです。熊本にはお世話になった方がたくさんいて、少しでも自分の経験や知見を地域に還元し、貢献していくことが自分の存在価値だと考えました。

合志市での暮らしをスタート。熊本の良さを再認識。

関西から熊本に戻ってからは、合志市で暮らしています。元々は熊本市での生活を考えていたのですが、当時は熊本地震から約2年経った頃で、住宅が被害を受けた方が賃貸マンションに入居していることもあり、市内の物件は軒並み埋まっていました。それなら周辺で選ぼうということで、合志市を選びました。

合志市は子育て支援が充実していることも決め手のひとつでした。当時でいえば、中学生まで医療費がかからなかったり、パチンコ店のような遊興施設がないというのは、子育てしやすい環境だと思いました。

大学時代から長い時間を関西で過ごしましたが、久々に熊本で生活すると食事の美味しさを身に染みて感じますね。懐かしい味でもありますが、単純に食材が美味しいんだと思います。

あと、熊本では時間が非常に長く感じられるんです。都会だと遅くまで営業しているお店も多いので夜も明るいのですが、熊本だとお店が閉まる時間が少し早いので、まちが暗くなるのも早いんです。地域を見渡して「もう23時くらいかな」と思っても、実際には20時頃だったり。時間の過ぎる感覚がゆっくりになったことは、熊本に来て大きく感じました。

子育てへの理解があるまちで、必要以上に気を使うことがない。

合志市は子育て支援に力を入れていることもあり、子どもが3人いる家庭もざらにあって、4〜5人いる家庭も珍しくありません。

すると、市内を歩いていても子どもの元気な声が聞こえて、活気があって明るいまちに感じるんです。地域の人たちも、子どもたちの元気な様子を見守るような雰囲気ができているので、バスに乗ったときに白い目で見られることもないですし、子育てがしやすい環境だと思います。うちにも9歳、6歳、2歳の3人の子どもがいるので、子育てに理解がある合志市は暮らしやすいですね。

また、合志市には大きな公園が多くて、広々と遊べるのも嬉しいポイントです。ほかにも、子ども向けのイベントもたくさん開催されており、休日には子どもと一緒に参加しています。

感受性を養える環境。健康に気遣い丁寧な暮らしを。

合志市に限らず、熊本にはたくさんの自然が残っているので、川遊びや山で虫取りなど、自然を身近に感じられることは大きな魅力です。机に向かうだけでは得られない学びがあることは間違いありません。

その一方で、習い事の種類や質に関しては、都会と比較すると少なさや物足りなさは否めない部分はあると思います。関西であれば数多くの英語教室があったり、珍しい習い事があったりと、次々と見つけられますが熊本ではそうはいきません。そもそも習い事を受けられる場所が少なく、見つけたと思っても遠方のためにレッスンの時間がなかなか合いません。未来の子どもたちのためにも出来ればこのような環境は変えていきたいと感じています。

自然の中での体験も、さまざまな習い事で得られる経験も、教育という観点ではどちらも素晴らしいことですが、このあたりは教育への価値観によって良し悪しが変わると思います。

個人的には、成長するにしたがって勉強する機会は増えてくるので、子どもの頃は自然に触れ合い、感受性を養える環境に飛び込むのもありだと感じています。進学を機に都会へ拠点を移す選択肢も取れますし。最近はリモートワークが浸透しているので、食事が美味しい熊本で健康に気を遣いながら丁寧な暮らしを送ることは、自分の人生にとってもプラスな選択だと思いますね。

先人がつくりあげた環境を、次の世代につないでいく。

僕たちが生活している環境は、先人たちの頑張りによってつくられたものなので、僕たちも次の世代のために、より良い社会をつくる役割があると思います。例えば僕であれば、整骨院での施術を通じて、姿勢を改善させ、大人の背中を今よりカッコよく元気にし、体に自信を持てる人たちを地域に増やしたいと考えています。

子どもたちが憧れる立派な背中や立派な姿勢の大人が増えることで、子どもたちは「大人ってかっこいいな」ってきっと感じますし、そうした姿が子どもたちの頑張るきっかけになると信じています。それが結果的に地方創生に繋がっていき、次世代につむいでいけると思うんです。

そんなかっこいい大人を増やすためにも、今後は熊本県内の10エリアに未来プロジェクト兼整骨院を展開しようと考えています。それも天草や水俣、球磨地方のような、子どもが少ない地域にこそ店舗を出して、地域全体の底上げに貢献したいと考えています。