インタビュー八代市 新卒で地域おこし協力隊と研究生の二足の草鞋 八代市地域おこし協力隊新卒熊本県 松田 萌花地域おこし協力隊移住前 熊本県熊本市移住後八代市熊本県八代市生まれ、熊本市育ち。食べることと料理することが好き。大学進学で福岡に離れ、九州産業大学地域共創学部地域づくり学科に進学。大学生の間は、地域おこし協力隊が開催するジビエイベントに複数参加、狩猟に触れる。卒業論文もジビエの利活用について書き、有害鳥獣駆除とその利活用に頭を悩ませる。新卒で地域おこし協力隊として坂本町に。(※情報は2022年12月12日時点のものです) 熊本への移住者の暮らしのリアルに迫る「熊本暮らしのリアルとホンネ」。今回は、八代市坂本町の食文化を守るため、新卒で協力隊での活動を始めた松田さんに、お話を伺いました。 八代市:熊本県第2の都市として海・平野・山の自然に恵まれ、日本一の生産量を誇る「いぐさ」や「はちべえトマト」「しょうが」「晩白柚」など土地の特性を生かした特産品が生産されています。南九州の交通の結節点として、九州新幹線、九州縦貫自動車道、南九州西回り自動車道、県内最大の国際貿易港である八代港が整備され、陸・海路の要衝となっています。令和4年10月末現在、約57,000世帯、12万人が暮らしています。(八代市ホームページより) 大学で学んだ地方創生。卒業後は地域おこし協力隊の道へ。 大学を卒業する22歳、私は初めてのキャリアとして、八代市坂本町の地域おこし協力隊で活動することを選びました。 大学では地域共創学部地域づくり学科という、いわゆる地方創生について勉強する学科に在籍していました。講師として協力隊の方がいらっしゃることもありましたし、大学の近くでは実際に協力隊の方が活動していたので、学生時代から協力隊には馴染みがありました。 とはいえ、元々は企業に就職するつもりで、就職活動を行っていたんです。 でも、私が所属していたゼミの先生をはじめ、実際に協力隊に関わってきた方とお話する中で「あなたは地方創生に携わる方が向いているよ」と薦められて、最終的に坂本町の協力隊を紹介していただくことになりました。 私自身、大学の頃から地域おこしについて勉強していましたが、本心ではもっと実践的な内容を学びたいと思っていたんです。それこそ協力隊として活動すれば、地域おこしに直接関わることができるので、新卒のキャリアとして坂本町の協力隊を選択することにしました。 また、協力隊での活動だけでなく、いまは熊本県立大学の研究生としても勉強を続けています。勉強したことを実践に活かし、現地で吸収したことを研究に活かす、そんな二足の草鞋を履いた生活を送っています。 地域で1人目の協力隊。何をすべきか考えることからスタート。 坂本町の協力隊って、実は私が1人目なんです。協力隊という制度自体、まだまだ地域に浸透していませんし、私自身どう活動していくべきか手探り状態で進めています。 そんな中、まず取り組んでいることは情報発信です。地域の魅力を届けるための情報発信は、地域おこしにとって欠かせない仕事で、主にイベント情報をTwitterでお知らせしています。最近だとTikTokも始めたので、不慣れな動画編集にもチャレンジしています。 ほかにも、今後は商品開発や、地域の企業発掘にも取り組む予定です。いまは地域でチャレンジしたいと思っている人を探したり、現地の人にお話を聞いたりと、できる範囲で下地作りを進めています。 ただ、協力隊での活動と、学業の両立は正直大変です。仕事から帰って、研究のために勉強する毎日ですが、イベントがある日なんかは疲れて爆睡しちゃって。 まだまだ手探りな状態で苦労することも多いですが、少しずつ地域に貢献できることを増やしていきたいと思います。 川の鮎、山のジビエ、美味しいぼたもち。坂本町ならではの食文化を守りたい。 坂本町は自然豊かな地域で、特産品がたくさんあります。川に行けば鮎が獲れますし、山では鹿が獲れるのでジビエも最高です。あと、坂本町はぼたもちが名物でして、地域ごとに製法が大きく違うんです。あんこのレシピも家庭によって違うので、いろいろな味わいが楽しめます。 そういった料理をお店で楽しめることはもちろんですが、自分で鮎を釣って食べる方もいるなど、自然豊かな坂本町ならではの食文化が感じられます。私も狩猟免許を取得したので、自分で鹿を獲ることにもチャレンジするつもりです。 でも、当たり前のように身近にある食文化も、人口が減っていくと、次第に失われていくんですよね。そして一度途絶えると、復活させることはもう難しくて。 だから私は、坂本町の美味しい文化を守るために、少しでも貢献したいと思っています。協力隊としての活動も、地域の人にお話を聞くことも、研究生としての勉強も、食文化を守ることにつながればいいなって。そんな町の魅力を、多くの人に知ってもらえると嬉しいです。 食事が美味しいことも魅力ですが、町中に透き通った川が流れていて、どこを切り取っても絵葉書のような景色が広がっているんです。目の保養になる環境で、美味しい食事を楽しんで、きっと坂本町のファンになってもらえると思います。 坂本町に来たことがない人は、ぜひ遊びに来てください!