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  • 人吉市

移住先の人吉市でくま川鉄道のYouTubeを運用

熊本への移住者の暮らしのリアルに迫る「熊本暮らしのリアルとホンネ」。今回は、地域資源を活かした魅力ある仕事を求めて、人吉市に移住した横山さんに、お話を伺いました。

人吉市:熊本県の南部、人吉盆地の西南端に位置し、南は鹿児島、宮崎両県に接しており、熊本、宮崎、鹿児島の3都市へ約1時間でアクセスできます。九州山地の連山に囲まれた盆地で、市域の面積は210.48平方キロメートル、市の中央部を日本三急流のひとつ・球磨川が東西に貫流し、さらに、南北から多くの支流が本流である球磨川に注ぎ込んでいます。令和4年10月末現在、約15,000世帯、30,000人が暮らしています。(人吉市ホームページより)

人吉市の協力隊でより大きな仕事を。

人吉市に移住するまでは、大阪での生活が長く、個人事業主として企業のSNSの運用や立ち上げの支援を行っていました。

個人で仕事を請ける分には順調な毎日でしたが、一方で大きな仕事に携わりたいという思いもありました。

それこそ将来的には、大きな会社を相手にした商品開発や、新規事業の立ち上げに関わりたいのですが、経験も実績もまだまだ足りません。

そんなときに知ったのが、人吉市の地域おこし協力隊でした。

きっかけは1年前。当時、人吉市にあるレストランの集客支援を担当していました。当時は月に1度、人吉市を訪れる生活を送っており、その中で人吉市役所の方とお会いする機会があったんです。そこで「ぜひ人吉市に拠点を移さないか?」とお声がけいただき、協力隊の仕事を紹介いただきました。

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その仕事は、地域地源を活かした大きなチャレンジができるような内容で、当時の自分にとって、それはもう魅力的な内容でした。移住してでも応募すると心に決め、その後の2022年の5月、念願が叶って人吉市の地域おこし協力隊に任命いただきました。

まずは収益を上げること。単なる情報発信では不十分。

協力隊での主な仕事は、人吉市に本社を置く「くま川鉄道」のYouTubeの運用です。

着任してからYouTubeチャンネルを立ち上げて、動画の企画や撮影・編集、ほかにもTwitterやInstagramの運用を行っています。

一般的にSNSを運用する目的として「情報を伝えること」が挙げられますが、くま川鉄道のSNSでは「収益を上げること」に強くこだわっていますくま川鉄道の運営には国や県から補助金が出ているのですが、収支としては毎年赤字なんです。その赤字は沿線自治体から補てんされていますが、もしYouTubeの運用を通じて収益を上げることができれば、沿線自治体は別のことに税金を活用できるので、地域全体を盛り上げることにつながると考えています。

とはいえ苦労もたくさんありました。くま川鉄道のYouTubeチャンネルは0からの立ち上げでしたので、そもそも認知度が低く、動画を投稿してもほとんど見てもらえません。「視聴者はどんなコンテンツを求めているのか」「何を面白いと思ってもらえるのか」など、今でも毎日悩んでいます。

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ただ、くま川鉄道は全国に一定のファンがいたこともあり、チャンネルの開設から3ヶ月ほどで、登録者が1,000人を超えたんです。ありがたいことに地域の情報番組や新聞にも取り上げていただき、人生で初めてテレビにも出演するなど、多くの人から反響をいただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいでしたね。

都会での暮らしと変わらない、それでもコストは半分以下

協力隊に着任してからは、だいたい朝7時に起きて、兼業の仕事をしてから、くま川鉄道へ出勤します。そこから定時の17時まで働いて、ジムに行って体を動かし、帰宅後も兼業の仕事を進めています。大阪にいる頃から個人事業主として働いていましたが、今も変わらず、ずっと働き詰めですね(笑)

だから、ライフスタイルとしては、大阪での生活と全く変わりません。ただ、人吉市で生活を始めて、物価の安さには驚きました

中でも一番は、ジムの月額料金の安さですね。24時間使い放題で3,000円代、さらに年中無休ですよ。衝撃を受けてすぐに契約しました(笑)あと、人吉市には温泉がたくさんあって、これも都会の半額くらいで入れるんですよ。サウナや水風呂が全部揃って450円なので、とにかく物価が安いです。

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また、人吉市は都市圏へのアクセスも意外に良くて、大阪まで2時間ほどで行けるんです。元々は大阪で暮らしていたので、たまの休日にも帰りやすくてありがたいです。

逆に、人吉市での暮らしでネガティブなところはあまり思い浮かばないのですが、強いて言えば、電源とWi-Fiが使えるカフェがもっとほしいなとは思います。場所を変えると作業も捗るので、そんな環境がもっと増えると嬉しいですね。

「ふるさと」の言葉で浮かぶような光景、それこそが人吉市。

澄み切った川が流れていて、周りは山で囲まれていて。全く別の世界に来たような自然環境を味わえるのは、人吉市の大きな魅力ですね。

人吉市では農泊という、農家や古民家に泊まれる取組みがありまして、その地域の生活を体験できるんです。実際に農作業を体験したり、竹を磨いたりと、本当にリアルな生活です。一般的な宿泊先だと、出てきたご飯を食べるのが普通ですが、農泊ではそこのお母さんやお父さんと一緒にご飯を食べたり、地域の人なんかも集まったりして、みんなで食卓を囲むこともありました。その日は、半分家族になったような気持ちで、この感覚も人吉っぽいなって。

あと、私が働いているくま川鉄道も、都会の電車とは全く違っています。列車の中では子どもが窓の外を眺めたり、走る列車に手を振ったり。単なる移動手段という枠を超えて、地域に根付くその存在に、本当に大きな魅力を感じました。

少し前に、水害の影響でくま川が運行休止することがあったのですが、復旧を待ち望む人たちが本当に多くて。試験運行が行われた日には、歓喜で涙する人もいて、本当に地域から愛されている存在なんだと痛感しましたね。

農泊の話もくま川鉄道の話もそうですが、どこか懐かしいような、昔ながらの空気が人吉市には流れています。例えば「ふるさと」というものを想像したとき、浮かんでくる光景が、まさに人吉の空気感なんです。実際に都会から来られた方が「第二のふるさとになりました!」「人吉にお母さんができました!」って、よく話しているのを耳にします。

買って応援、乗って応援、見て応援。

これまでは、くま川鉄道に興味を持ったとしても、具体的に何か支援をするためには、現地でチケットを買って、乗車する必要がありました。でも、YouTubeの運用を始めたことで、買って応援、乗って応援、見て応援と、さまざまな形でくま川鉄道を応援してもらえるようになりました。

くま川鉄道に興味を持った人が動画を見て、それが収益につながって。結果的に税金を効率良く活用できることになり、人吉市の活性化につながります。これからも、くま川鉄道をはじめ、人吉市のことを多くの人に知ってもらえると嬉しいです。